― afternoon 3:00PM ―
まだ、営業までには時間があった。
『CLOSE』と下げられたドアを勢い良く彼は開けた。
「まだ、営業前ですぜ」
カウンターの後ろで働いていた淵は入って来た人物を確かめもせずに呟いた。
「少し休ませてもらうぞ」
声の主に淵は振り返る。
つかつかとカウンターまでやって来ると曹操はイスにどっかりと座り込んだ。
「どうした?」
同じくカウンター席を陣取って居眠りを決め込んでいた惇は疲れた様子の従兄弟に声をかけた。
「ああ、仕事がようやく一段落ついたのだ」
「こないだ言っていた屋内遊園地の件か?」
「ああ、そうだ」
淵は2人の会話を無視してコップを磨きながら小型TVに見入っている。
「ご執心のアイドルは来たのか」
「ああ、大成功だった」
曹操の口元に笑みが浮かぶ。どこか嬉しそうだ。
「お」
ふと淵が曹操に向かって手招きする。
「どうした、淵?」
「ニ喬が出ているぞ」
曹操はカウンターの奥へと身体を伸ばした。
「何を見ている?」
時刻は3時になったばかりだ。
「3時のワイドショー」
「お前は毎日、こんなものを見ているのか?」
曹操の言葉は次のアナウンサーの言葉に遮られた。
「緊急速報です。このたび人気アイドル『ニ喬』が婚約することが発表されました。
『大喬』さんのお相手は兼ねてから交際が噂されていた歌舞伎役者『孫堅』さんの長男で『策』さん。
『小喬』さんのお相手は『策』さんと公私共に親しかった芸術家の『周瑜』さん。
これから3時30分より4人による記者会見が行われる予定で…」
「なんだと?!」
曹操は豆鉄砲を食らった鳩の様にうめいた。
「こないだは何も言ってなかったぞ」
「そんなこと公にいわんだろう」
惇は相変わらず冷静だ。
淵は楽しそうにTVを見つめている。
「潮時だな」
「むむむ…」
曹操は画面に現れる『ニ喬』を凝視しながら唸った。
「まだ若いんだろう?」
「今時、早婚は当たり前だろう。別れるのも早いがな」
何もしゃべろうとしない曹操を尻目に惇と淵は会話を続ける。
のろのろと曹操は立ち上がるとドアに向かって歩き出した。
「ん? 帰るのか?」
「仕事をする気にもなれん」
ドアの向こうに消える曹操の背中を見送って2人は顔を見合わせた。
「ショックが大きかったようだな」
「マジで惚れてたのか?」
TV画面の『ニ喬』は眩しい笑顔で微笑んでいた。
BGphoto Thanks≫「 創 天 」
『 幻 想 遊 戯 』 の藤井桜様より頂戴致しました〜!!o(≧▽≦)o
ぶわはははははははははははははははは!!!ヽ(≧▽≦)丿☆彡
読んだ瞬間笑い転げてしばらく正常な脈拍に戻る事が出来ませんでした(爆笑)
策ボン(孫策)と周瑜の職業(?)も妙に納得でツボだったのですが
何と言っても従兄弟3人の三様なやりとりに笑いが零れます。
それに屋内遊園地の名前が「銅雀台」って!(笑)
元ネタはコレ↓↓↓
夏侯惇 「まだ営業前だが」
曹操 「仕事に余裕が出来てな」
夏侯惇 「何かあったのか?」
曹操 「実はな『銅雀台』が完成した」
夏侯惇 「何だそれは?」
曹操 「屋内遊園地だ」
夏侯惇 「それがどうした」
曹操 「落成式典に『ニ喬』を呼ぼうと思う」
夏侯惇 「ニ喬?」
夏侯淵 「人気のあるアイドルグループだな」
夏侯惇 「………」
曹操 「おっとそろそろ時間だな。ではまた来る」
夏侯惇 「あいつはあの歳になってアイドルのおっかけやってるのか?」
夏侯淵 「はははは」
↑↑↑桜さんがうちの「お絵かきBBS」に描いて下さったのが発端です♪
妙に冷静な元譲さんにちゃかしつつもこれまた冷静な妙才さん。
やる事がでっかいのに一番おこちゃま(というにはニュアンスが微妙ですが・笑)な孟徳さん(笑)
見事に現している桜さんに脱帽!v
桜さ〜ん!素敵作品本当にありがちゅーv
ギャグ大好きですのでいつでもまた書いてやって下さい! 待ってますニョロ〜vv
※今回のSSの題名はアタイが勝手に(殴)つけさせて戴きました。
3時のワイドショー見てる淵ちゃん…(〃▽〃) ラヴv←黙れ!